認定講師の「数」を増やすことより大切にしていること

村上

こんにちは。

一般社団法人日本紙バンドクラフト協会代表理事 村上秀美です。

かわいい紙バンド作品を“かんたん♪ シンプル”な編み方で作る方法をお伝えしています。

以前、テレビを見ていた時のことです。

DEAN & DELUCAを運営する会社の横川社長が出演されていました。

その時に紹介されていた、お父様(すかいらーく創業者)から教わったという言葉が、今でもずっと心に残っています。

「電子レンジで急に熱くなったものは、冷めるのも早い。

でも、オーブンなどでじっくりゆっくり温まったものは、なかなか冷めない」

これは経営や事業についてのお話でしたが、わたしは「これって、あらゆる物事の本質じゃないかな」と思ったんです。

もちろん、ハンドメイドの世界も例外ではありません。

最近は、たった2、3回の講座で「講師」の資格が取れるものも増えていますよね。

手軽に、短期間で、肩書きが手に入る。

それは一見、効率が良くて魅力的に見えるかもしれません。

でも、そうやって「レンジでチン」するように急いで手に入れた技術や資格は、実は冷めるのもとっても早いんです。

わたしの周りでも、短期間で資格を取ったけれど、それだけでは講師活動には繋がらなかった……というお話をよく耳にします。

紙バンドに限らず、簡単に取れる資格をいくつか持っているけれど、結局どれも活かせていない、という方もいらっしゃるのが現状です。

それは、なぜでしょうか。

きっと、技術や知識が「自分のもの」としてしっかり腑に落ちるまでの、十分な時間がなかったからではないでしょうか。

中身が伴わないまま、形だけの認定を出すことは、発行する側にとっては効率が良いのかもしれません。

でも、その先にいるのは「資格はあるけれど、教える自信がない」と立ち止まってしまう認定をもらった講師さんです。

以前、他のところで認定講師の資格を取られた方が、トリリアムメソッド(R)アカデミーを受講しに来てくださったことがあります。

「作品は作れるようになったけれど、教え方を教わっていないから、自信がなくて……」とおっしゃっていました。

「作り方」だけを覚えた状態だと、生徒さんに何か聞かれた時に、根拠からきちんと自信を持って説明したり、答えたりできないんですよね。

その方は、アカデミーで改めてじっくりと学び直されました。

そして、認定講師となって教室を始められました。

「前は資格があったのにお教室を開かなくて、どうして今度は始めたの?」

と聞くと、こう答えてくださったんです。

「自信がついたから」

この言葉を聞いた時、わたしは本当にうれしかったです。

じっくりと時間をかけて、根拠のある技術を身につけてきたからこそ、その自信は本物なんですよね。

わたしが何より大切にしたいのは、講師としての「中身」です。

「なぜ、ここですぼまってしまうのか」

「どうして、この位置でバンドを貼るのか」

そういった理屈を、きちんと理解して、中学生でもわかるように言葉で説明できる。

それが、中身のある先生だと思っています。

講師自身が、一つ一つの工程にどんな意味や理由があるのかを正しく理解していなければ、生徒さんが困った時に、きちんと導いてあげることができません。

利益や効率だけを考えて認定を出しているような環境では、こうした「生徒さんへの責任」が置き去りにされがちです。

それでは、せっかく勇気を出して通ってくださっている生徒さんに申し訳ないですよね。

わたしは、ただ認定講師さんの数を増やしたいわけではありません。

数を増やすだけなら、それこそレンジでチンするように簡単にしようと思えばできてしまいます。

協会が儲けることだけを考えるなら、そちらの方が効率がいいのかもしれません。

でも、わたしがしたいのはそんなことではありません。

きちんと技術を身につけた、生徒さんから信頼される講師さんを育てること。

生徒さんから

「この先生のレッスンを受けられて、本当によかった!」

と言っていただけるような、そんな誠実で温かい心のある先生を育てたい。

そのためには、やっぱり、じっくりゆっくり。

時間をかけて、一歩ずつ進んでいくことが必要だと思っています。

そうやって丁寧に積み上げてきたものは、ちょっとやそっとじゃ揺らぎません。

それが、あなたの講師としての「軸」になり、一生モノの財産になります。

自分のためだけでなく、生徒さんのために本気になれる。

そんな素敵な仲間たちと一緒に、紙バンドの楽しさを伝えていきたいと思っています。

こちらの記事もおすすめです
受講生さんの声「本の作品と違う満足感があります」~作りやすさを大切にしているからこそ頂けたご感想
オリジナル作品を作れる力が、紙バンド講師さんに重要な理由
「紙バンドは古紙100%?」発信に責任を持つということ
自分の世界、狭めていませんか?
紙バンド教室の先生の働き方
同じ時間を使うのなら