エコクラフトバンドの講師としてお教室を運営していくのに必要なこと 5
先日、ある認定講師さんと話をしていて、ドタキャンの話になりました。
体調不良でのドタキャン・・・それは仕方のないことだと思います。
でも、もし自分が紙バンドの講師になりたいと思って、レッスンを受けているのなら、レッスンをドタキャンするということは、どういうことかということも考えたほうがいいし
体調管理も、講師の仕事の一部であるとわたしは考えます。
そんなことから、紙バンド講師になって、教室を運営していくのに必要なことはどんなことなのか、をお伝えしていこうと思います。
作品のクオリティが低いなど技術的な問題はクリアできているという前提でお話しします。
技術がなくてももちろんレッスンをすることは可能ですが、教えることでお代をいただく講師という仕事をするのなら、最低限の技術は身につけておく必要があるとわたしは考えます。
その5:オリジナル作品を作れること
わたしが講師養成を始める前から
「どうしたら、クラフトバンドの先生になって教室を開けますか?」
という質問をよくいただきました。
それにわたしは
「オリジナル作品を作る事ができればできますよ。」
と答えていました。
今でも、同じ質問をされたら、同じことを答えると思います。
わたしがお教室を始めた頃と違って、今は各種団体が講師の認定証を出しています。
(一社)日本紙バンドクラフト協会でも、一定の技術を習得された方を講師として認定しています。
でも、どれだけ認定証をもらっても、オリジナル作品を作れない方は、事業としてお教室を開いて続けていくのは難しいのではないか、と思います。
今は、レシピの販売やティーチングフリーの本などもあります。
ぶっちゃけて言ってしまえば、そういうものを利用すれば、講師の認定なんてなくても、ちょっと紙バンドが得意ならお教室を開く事が可能なのです。
逆に言えば、講師の認定をもらっても、オリジナル作品が作れず、販売されているレシピや本ばかり頼りにしているのなら、ちょっと紙バンドが得意な人と同じということになります。
つまり、紙バンド講師として仕事をするのではなく、ちょっと得意な趣味の紙バンドを教えてる人ということです。
オリジナル作品を作るということ
当協会では、オリジナル作品の作り方のセミナーも開催しています。
オリジナル作品を作る力は、講師としてお教室を開講していくのに、とても大切な力ですが、いきなり作りなさいと言われて作る事ができない方がほとんどだからです。
オリジナル作品を作るというのは、0から形を作り出すという事。
そのセミナーを受けた受講生さんたちは、オリジナル作品を作り始めるのですが、多くの方が言われるのが
「レッスン課題(レッスンで作ってきた作品)を作るのとは、全く違う。」
ということ。
レッスン課題はすでにできているものの、編み方を学びます。
編み方がわかれば、作れるのです。
でもオリジナル作品は、何もないところから自分の力で作り出します。
- この大きさにするためには、ここは何本にすればいいの?
- 編み方は何編みにする?
こんな事を考えながら、作ってみます。
でもたいていの場合、自分が思った形になりません。
自分が思う形にするにはどこを直せばいいのか?と考えて、作り直してみると、また今度は別のところに支障が出てくる。
「あれ?おかしい???」
こんなトライ&エラーを繰り返します。
場合によっては、エラー&エラー&エラーの繰り返しになることもあります。
だけど、こういう事を繰り返すことによって、作品の成り立ちや編み方がしっかり腑に落ち、力がついてくるのです。
すでに形になっている作品をどれだけ作っても、この力は養われないのですね。
編めることと教えられることは別ですが・・・
ちょっと器用で紙バンドが得意な人や、紙バンドが好きでたくさんの編み方を知ってる人は、まわりから教えてといわれてレッスンを始めることもあります。
でも、どこかで行き詰まったり、友だちしか来ない趣味経営の教室であったりすることが多いのです。
それは、編めることと教えられることは違うということに気がついていないからです。
編めることと教えられることは、別のことなのですが、オリジナル作品を作ると言っても、自分のために作るオリジナル作品と、生徒さんの課題のために作るオリジナル作品もまた別のことです。
自分のためなら、時間がどれだけかかっても、材料費がどれだけかかっても、自分の好きを詰めこんで、自分自身が「かわいい~!」と思えたら、それでOKですよね。
でも、生徒さんの課題のためとなると
- レッスンの時間内に収まるか?
- 生徒さんのレベル感は?
- 材料費はどれくらいかかる?
- カットサイズに無駄が出ないか?
- 生徒さんに喜んでもらえる?
など、たくさんのことを考えてオリジナル作品を考えなくてはいけないのです。
そのためにはやはり、作品の成り立ちや編み方がしっかり腑に落ちている必要があるのです。
販売されているレシピや本を頼りにしている編み方がわかるだけの趣味経営の教室の先生と、編み方だけでなく作品の成り立ちまでしっかり腑に落ちてオリジナル作品を作れる先生とは、講師としての実力が違います。
オリジナル作品を作ることは、容易ではないですよね。
だからこそ、そこへ至るまで努力したことが自分の力になり、講師としての実力となるのです。
【エコクラフトバンドの講師としてお教室を運営していくのに必要なこと】をシリーズでお伝えしてきました。
細かくお伝えすれば、まだまだありますが、今までお伝えしたことを元に考えれば、自ずと必要なことは見えてくるはずです。
これから、お教室を開こうと思っている方や、開いてみたけど生徒さんがなかなか集まらない、すぐやめてしまう、という方の参考になるとうれしいです。