クラフトバンドのレッスンに、市販の本(他人の本)を使ってもいいのか?
さくらんぼが出回り始めましたね。
毎年、初もののさくらんぼを食べる時、娘たちを出産して入院してる時に、実家の母がさくらんぼを持って来てくれたなぁ、と思い出します。
こんにちは。一般社団法人日本紙バンドクラフト協会代表理事 村上秀美です。
7月8日に、わたしの著者本【基本の編み方で作る はじめての紙バンド】が日本ヴォーグ社様より発売されます。
この本の出版をきっかけに、「市販されている本をレッスンで使用してもいいのか」、ということを改めて出版社さんにお伺いすることができました。
どういうものかな?と疑問に思っている方や、知らずに使ってしまっている方の、お役に立てるとうれしいです。
クラフトバンドのレッスンをするのに、他人の本を使うことはできません
最初に結論から、お伝えしますね。
クラフトバンドのレッスンをするのに、他人の本は使えません。
レッスンというのは、営利活動を意味します。
ボランティアだからと言っても、少額でも謝礼のような形でも代金をもらっていたら営利活動になります。
完全に無償で提供するボランティア活動だったり、サークル活動などで、誰にも利益がないものは含まれません。
こんな形でクラフトバンドのレッスンをして、少額でも利益を得るのはNG
近所の人に教えるだけだから、友達に教えるだけだから、と図書館で借りた本をコピーしてメンバーに配ってレッスンをして、利益を得る。
これは、利益が少額だろうとNGです。
金額が少ないからいい、と解釈されている方もいるようですが、金額が多い少ないは関係ないんです。
その行為自体が違法となります。
これに似た形で、自分の持っている本から「どれが作りたい?」と生徒さんに聞いて作ってもらっている、というなんちゃって先生もまだまだたくさんいるようです。
これも違法行為です。
それでは、わたしが許可すれば、トリリアムメソッド (R)認定講師さんたちは、わたしの本をレッスンに使えるの?
実はこれもNGなんだそうです。
その理由は、後からお話ししますね。
クラフトバンドレッスンを受ける生徒さんも本を買えばいいんでしょ?
では、レッスンを受ける生徒さんも、本を持っていれば、レッスンをしてもいいのか?というとそれもNGだそうです。
実は、わたしもそれはいいと思っていました。
というのも、10年以上前、エコクラフト界の大御所とでもいうのでしょうか?その頃の中心メンバー的存在だった方に聞いてみたところ、「いいんじゃないの?」ということだったのです。
かと言って、他人の本をテキストとして使ったことはありませんが・・・
そんなふうに思いこんでいたので、今回出版社の方に直接お伺いできて、とてもよかったと思っています。
クラフトバンドのレッスンで市販の本を利用できない理由
クラフトバンドのレッスンで市販の本を使用できない理由・・・
それは、出版社さんがお金をかけて作ったものだからです。
つまり、出版社さんのお金を使って作ったもので、利益を得ている=「他人のふんどしで相撲を取っている」ということ。
*「他人のふんどしで相撲を取る」の意味がわからない方は、ご自身でお調べくださいね。
今回のわたしの本についていえば、作品のレシピはわたしのものです。
でも、売れるかどうかもわからないのに、カメラマンさんはじめ、多くのスタッフの方や印刷などに出版社さんがお金を使っています。
(ちなみに、1冊の本を作るのに、ウン百万円の経費がかかる、とどこかで聞いたことがあります。)
なので、その本に関する権利は、出版社さんにあるのです。
万が一、わたしの本を使ってレッスンや作品の販売をして訴訟問題などになった場合、出版社さんと、になるということです。
認定講師さんたちが、クラフトバンドの本をレッスンで利用できるのは?
先ほどお伝えしたように、いくらわたしが許可しても、トリリアムメソッド (R)認定講師さんであっても、今回のわたしの本をレッスンで使うことはできません。
それは、出版社さんと、認定講師さんたちの関係になるからです。
わたしの本を、認定講師さんたちが使える方法が1つあります。
それは、わたしがお金を払って、本を作ってもらった場合。
今回の本は、出版社さんからご依頼を受けて、出版となりました。(商業出版)
なので、わたし以外の人がレッスンで使用することはできません。
でも、わたしが全部中身を準備して、「これを本として出版してください」とお願いした場合
わたしがお金を払って、本にしてもらっているので、わたしの許可があれば、誰でも利用することができます。
これを自費出版と言います。
自費出版であれば、著者の許可で、その本をレッスンに利用することができるのです。
「クラフトバンドのレッスンに他人の本を利用できるのか」のまとめ
いかがだったでしょうか?
たとえ、生徒さんがその本を持っていようと、クラフトバンドのレッスンに他人の本を利用できません。
利用できるのは、自費出版された本で、その本の著者がOKを出した場合のみになります。
もしかしたら「知らずにやっていた」という方もいらっしゃるかもしれません。
でも一般的に、「知らなかったから」では、済まされないことの方が多いですよね。
もしわからないこと、不安なことがあれば、出版社さんに直接お問い合わせいただくのが一番だと思いますので各自でお問い合わせいただけたら、と思います。