講師として着実に歩んでいる人は、「自分でも作れそう」な作品からも学んでいる

こんにちは。
一般社団法人日本紙バンドクラフト協会代表理事 村上秀美です。
かわいい紙バンド作品を“かんたん♪ シンプル”な編み方で作る方法をお伝えしています。
先日、認定講師のAさんと話していて
「そういう学び方ができるから、すごいんだろうな」
と思ったことがありました。
Aさんは、講師歴数年。
もちろん、自分でオリジナル作品も作れます。
作れるだけでなく
「よくこんなの考えたね」
と、思うような素敵な作品を作る方です。
そんなAさんから
「先生の作品で、丸いかごを作りたいです。」
と言われました。
ご自身で作れるのに、どうしてわたしの作品を作りたいんですか? とお聞きしてみたところ、こんなふうに答えてくださいました。
「自分でも形にできます。 でも、村上先生ならどうやって作られるのかなという、先生のやり方を知りたいんです。」
この言葉を聞いた時
「講師として着実に歩んでいる方は、やっぱり視点が違うんだな」
と感じました。

紙バンドの作品って、写真やパッと見た感じで、こうやって作ればいいのかなと、作り方が予想できてしまうことも多いです。
特に経験年数が長くなってくれば、見た目だけで形にできてしまいます。
でも、見た目が同じでも、作り方まで同じとは限りません。
外からはわからない部分に、実は工夫が入っていることがあります。
たとえば以前、わたしの作品と見た目がよく似ている作品を見る機会がありました。
でも、よく見ると、
「わたしだったら、ここにこの穴は開かないな」
という場所に穴が開いてしまっていました。
デザインだけを見れば同じように見えても、構造まで見ると違うんですよね。
紙バンドは、バンドを通す順番や引き締める方向、始末の重ね方が少し違うだけで、不要な隙間や穴ができてしまいます。
蓋の付け方や持ち手の取り付けひとつにしてもそうです。
パッと見は同じように見えても、見た目をすっきり美しく見せるための工夫を、わたしは見えないところにしています。
表面的なデザインだけを真似して作ることと、理にかなった構造を理解して作ることは、まったく別物なんですよね。

レッスンで受講生さんたちを見ていると、「自分で考えて作ってみます」と、最初から自己流で進めようとされることがあります。
自分で工夫して作ること自体は、決して悪いことではありません。
特に、これから先生として活動していくなら、自分で考えてオリジナル作品を作れるようになる力は必要です。
でも、自分で考えられるようになることと、学ばなくていいことは、同じではないんですよね。
まだ経験が浅いうちから自分の頭の中にある知識だけで作ろうとすると、その中で答えを出してしまって、ほかにもっと良いやり方があっても気づけないことがあります。
10年、15年と試行錯誤を繰り返してきた人がたどり着く答えと、はじめて2、3年の経験から出てくる答えは、当然ながら違います。

学ぶというと
- 知らない編み方を習う
- 難しそうな作品を作る
ということを考えがちです。
でも、それだけではないんですよね。
一見すると、自分でもできそうな作品の中から
「この人は、なぜこうしているんだろう?」
と、自分とは違うやり方や、自分がまだ知らない工夫に目を向けてみる。
長く続けていても、できることが増えても、そうやって学べる人は、やっぱり伸び続けるんだろうなと思いました。
「学ぶは真似ぶ」と言う言葉があります。
これは単にデザインを真似するという意味ではありません。
先人が長い時間をかけて検証してきた構造の工夫や、作り手の思考そのものを素直に学んで、自分の中に落とし込むということです。

自分で考える時間も大切。
でも、確かな技術や構造の理屈を学べる環境があるのなら、まずは先人のやり方をそのまま吸収してみる。
その引き出しを増やした上でオリジナルを考えていくほうが、作品の幅も成長のスピードも格段に広がっていくとわたしは思っています。







